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ショートカットを使って日常的な繰り返しの作業をNotionに記録しよう
ショートカットアプリはAppleが提供している、複数の操作を一度に素早く完了するためのアプリです。日常的な繰り返しの作業や、さまざまなアプリをまたいだ操作をまとめて登録しておくことができます。
Notionはカスタマイズ性が高く自分の好きな使い方ができますが、操作がやや重くて気軽に扱えないことが難点です。簡単なメモを記録したい、今日歩いた歩数を毎日トラッキングしたい、思いついたタスクを登録したいとき、毎回Notionを開いて記録するのは大変です。
すぐに起動できてNotionに登録できる便利なメモアプリもありますが、多くの場合はメモアプリに合わせた使い方しかできず、Notionのカスタマイズ性の高さを活かしきれません。そこでショートカットアプリの出番です。ハードルは少し高いですが、自分の使い方に合わせたショートカットを一度作ってしまえば、Notionを開かなくても気軽に記録できます。
Notion APIについて知ろう
Notion APIを使えば、Notionを開かずにデータを取得・編集できます。APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェイス」の略称で、URLを使ってアプリケーション内のデータを編集することができる仕組みです。
Notion APIを使えば、アプリを開かずにNotion内の操作が可能です。ルールに沿ってURLを叩けばNotionの情報を取得したり、ページの更新をしたりできます。使いこなすには専門的な知識が必要ですが、無料で使えるため、使いこなせれば生活の質が向上します。
Notion APIはショートカットアプリで使うことができます。ショートカットは一度作ってしまえば同じ操作を何度も行うことができるので、日常生活で頻繁に使うものに特に有用です。
ショートカットでNotion APIを扱うための方法
ショートカットでAPIを使うためには「URLの内容を取得」アクションを使います。
Notionに対して行う操作を分かりやすく定義した指令を記述します。APIごとに決められた方法を使えばよいため、わからないうちはおまじないだと思っておけば大丈夫です。
Notion APIの種類によってここに書く内容が変わります。詳しくは個別の解説ページに記載するので、ここではアクションの見方を解説します。
方法
方法にはNotionに対して行う操作をわかりやすく定義した指令を記述します。Notion APIで使用する方法は以下の4つです。
- GET
- データを取ってきます。欲しい情報の詳細を記述します。
- POST
- 新しくデータを作成するときやデータを検索するときに使用します。
- PATCH
- 既存のデータを上書きして更新します。
- DELETE
- 既存のデータを削除します。
ちなみに私はNotionを開いて直接削除するため、DELETEを使うことはほぼありません。
ヘッダ
ヘッダには、URLだけでは表現できないセキュリティ情報や通信情報のやりとりの種類を記述します。これもAPIごとに決められたものを使えば大丈夫です。Notion APIで使用するヘッダは以下の3つです。
Authorization | Bearer <インテグレーション> | Bearer という文字にスペースを空けてこちらで作成したトークンを記載します。 |
Content-Type | application/json | やりとりするデータの形式を記載します。 固定で問題ありません。 |
Notion-Version | 2022-06-28 | Notion APIのバージョンを記載します。 値は 2024/5 時点の最新バージョンです。 最新バージョンが更新されている場合はここに書かれます。 |
Authorizationに記載したトークンを使うと、だれでも自分のNotionにアクセスできてしまいます。勝手に情報を見られてしまう可能性があるので、他の方には教えたりしないようご注意ください。
本文
本文には操作の具体的な内容を記述します。ページを作る時にはページメイやプロパティを、検索する時には検索条件を記述します。本文は辞書と呼ばれるデータ形式で記述されます。
本文の書き方について触れる前に、どんなAPIを使う場合でも基本となる「辞書」と「リスト(配列)」という考え方について解説します。
リスト
リストとはデータがいくつも入っている、区切りの着いた箱です。プログラミングを学んでいる方は、配列という名前のほうがわかりやすいかもしれません。リストは先頭から順番に1,2,3…と番号がついています。番号を指定すると、その番号の箱の中身を取り出すことができます。
たとえば次の要なリストがあるとします。
- りんご
- オレンジ
- バナナ
このリストに対して「リストから最初の項目を取得」というアクションを使えば、箱の一番最初にある「りんご」を取り出すことができます。
辞書
辞書リストと似ていますが、箱には番号ではなくキー(索引)がついています。まさに辞書のようにキーを使って辞書の中身を検索します。
たとえば次のような辞書があるとします。
- apple: りんご
- orange: オレンジ
- banana: バナナ
この辞書に対して「地所内のorange(というキー)の値を取得」というアクションを使えば、orangeというキーの値である「オレンジ」を取り出すことができます。
辞書とリストは入れ子にできる
ここからが辞書とリストの強力でありややこしいところです。さきほどは辞書の値は「オレンジ」というテキストでした。このテキストは配列(リストのこと)や辞書を入れることができます。つまり、辞書の中に更に辞書を設定することができるのです。
今度は辞書のキーにfruitとvegetableを使いましょう。fruitの値は辞書とします。この辞書は先ほど作った辞書をそのまま使います。同じように、vegetableの値にも辞書を指定します。
このような辞書で「オレンジ」を取得したい場合は、上から順番に値を取得する必要があります。まずはfruitの値を取得します。これは辞書となっています。
この辞書からorangeというキーの値を取得すると、目的のオレンジを取得できます。
URLの内容を取得アクションに戻りましょう。本文はNotion APIが指定する値を辞書形式で設定します。実際に指定する時の画像は次のようになります。
- ①…APIのURLと方法です。Notionに対してどんな方法で操作を行うのかを指定します。
- ②…ヘッダです。Notion APIにアクセスするための情報を記載します。
- ③…本文です。方法でGETを選んだ場合は表示されません。具体的にNotionに送るデータの中身辞書形式で記載します。ページを作る時にはデータベースIDやプロパティを記載します。
実際にページを作るショートカットはこちらの記事で紹介しています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。ショートカットアプリとNotion APIを駆使すれば、日常の煩雑な作業を効率的に管理し、記録することが可能です。カスタマイズ性の高さを活かし、自分だけのワークフローを構築することで、Notionをさらに便利に使いこなせるようになります。
ショートカットを作るのは少しハードルが高く感じると思いますが、一度作ってしまえば何度でも繰り返し使えるためとても便利です。ぜひ作ってみてください!
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